心斎橋ミツヤ

創業は昭和18年。ワタクシたち心斎橋人の良心でありアイデンティティとも言い切りたい「心斎橋ミツヤ」。どんなヤンチャなお客様もここに来たらお行儀よく。スタッフ様やお料理、店内のすべてにもリスペクトを持って接してしまう、伝統の一軒。

今日も、エントランス頭上には3人のキャラクターが空中ブランコでクルクルとお出迎えしてくれます。ミツヤさん、いつもオープンしてくれていてありがとうございます！

そう、ミツヤといえば、このエントランス真正面のステンドグラス。それだけじゃなくて、壁面の竹細工や天井のスピーカー、ダウンライトの瀟洒な設えに、床の組木。現代にはもう再現できないんじゃないかってくらいの、粋なお仕事が空間を演出します。

ソーダファウンテンや洋食が粋だった時代。池波先生や向田邦子さんが「食」を味わった時代。関西にはコピーライター開高健さんがいた、あの頃。ずっと、ずっとミツヤは心斎橋にあって、街の人たちのお腹を満たして、口を喜ばせ、思い出も作ってくれた一軒。

店内には、ビールを傾ける老夫婦やママとランチの男の子。そして、どこのカフェに行くかモメにモメて、 「じゃ、ミツヤでどうや？」で、落ち着いたっぽい、女子グループも。もう、このフロア全体が心斎橋の縮図のようなキャパシティ。守備範囲の広さ、寛大さは、さすが老舗。その懐の深さに皆が甘えて、ここちよーく過ごしています。ミツヤ、大好きです！

さて、この心斎橋ダンディズムあふれるお方。同店の田中店長様です。本日、ミツヤトラディショナルとしてご紹介いただくのが・・・

ミツヤの「ツインズセット」。ご存じの方も多いことかと思いますが、いま敢えてこのセットを紹介するにはワケがある！

なんと、ミツヤさん。近々、この「ツインズセット」だけで専門店も開業させるそう。そのくらい、支持厚く、大人気のセットなのです。そして、このセットのルーツはもちろん心斎橋ミツヤ。

システムは簡単。洋食屋さんのコロッケ＆ミンチカツ、カニコロッケスパゲティ、ハンバーグドリアや、サンドイッチにサラダなどなどなどなど･･･計10種のお料理から2種をセレクトして、21種のドリンクから1種をセレクト。そうしてできあがる、自分好みカスタマイズなセットは税込1069円！ミツヤといえば･･･な、名物セットなのです。

計、2100通りから選ぶ、自分好みのワンセット。どんなセットで注文されるか？瞬間瞬間に受けるオーダーに、ガッチリ厨房対応できるのもミツヤさんの底力。私たちの満足は、高度な「人の力」によって支えられています。田中店長様は言います。「こちらが楽して、お客様に満足はいただけない」と。

本日は、カニコロッケスパゲティと温泉卵のシーザーサラダをセレクト。まずはカニコロスパゲティからいただきます！

サックサクの衣に包まれたコロッケは、中からトロリとクリームが登場。パスタソースは甘味の効いた優しい味わい。このソースが、コロッケに合うんだわ★噛めばクシュッとつぶれる衣とカニの風味＆クリーム、コク深いソースは、味覚・テクスチャーが高密度！

パスタはアルデンテではなく、小麦感を感じさせてくれるモチモチタイプ。野菜や肉の旨味を感じさせてくれるソースとの相性は抜群。噛む度に口内に広がる旨味が、かなりの幸せ。パスタのモチモチとコロッケのサクサク。甘味と旨味を交互に行き来する味覚で、夢中になってしまいます。

そこで、箸休めにとサラダに突入。レタス、キュウリ、トマトなどが盛り込まれるひとさらに、軽くトーストしたパンやビッツ状のベーコンが散らされて。温玉を割ると、トロリと黄身があふれ出る！

シャッキシャキの野菜に絡まるシーザードレッシングや卵。味のアクセントになるベーコン。主役の「野菜」が最もおいしく感じられる、なんとも豪華な脇役たち！そして、ワタシ野菜大好きやぁ～と思わずニンマリしてしまう、なんとまぁ、綿密に組み立てられたメニューです★

まだ未体験な方は「量は十分なのかな？」とお思いになることかもしれませんが、これ、十分です。そして、このセット最大の魅力が、一品にしても完成度の高い（というより、完璧）な二つが「ツインズ」で味わえるという点。「これを一品ずつで食べてみたい」と思わせるような絶対レベル！

創業昭和18年の歴史は、ほんとうに伊達じゃない。心斎橋にミツヤがあってよかったって、心から唸る「ツインズ」セット。是非ともご賞味ください！ちなみに2100通りから選べるとなると、すべての組み合わせを制覇するには、毎日かよっても「５年」以上の歳月が必要、という計算になります★★