EXPERIENCE
2026.04.13
ワンスアポンアタイムイン大阪
大阪を“ブラタ〇リ”してみたい♪
記録に残された史跡をめぐる旅
中尾書店
大阪を“ブラタ〇リ”してみたい♪
大阪を“ブラタ〇リ”してみたい。そんな願望を胸に秘める、そこのアナタ。
実はアナタのような人、結構いるんです。
史実に残された記録を頼りに、自分なりに歴史を紐解き、
過日の人の営みに心を馳せて、これからを想う。
あーーーいいですね、そんな時間が過ごせたらとっても贅沢♡♡
さて、アナタはその準備にリサーチを始めることでしょう。情報源は?本屋さん?口コミ?YouTube? ここでとっておきの情報源をご紹介します。
“古書店”という選択/中尾書店
さかのぼること1967年(昭和42年)。創業者・中尾良男氏が開業した「中尾書店」。
江戸時代の和本を取り扱う古典籍売買を主に「先人が残されました良書を後世に伝えて行くことが、私共の仕事です。」と話す、ご店主。
江戸時代、寺小屋でも用いられていた儒教の経書「四書五経」や「和漢三才図会」、昭和期の漢方復権に尽力した医学博士・矢数道明「漢方百話」、さらにはさらには「易学」や浄瑠璃の太夫さんたちが使う台本「床本」も。
山と積まれて、店内にそびえる過日の「知」が圧巻。
世に廻る古書は確実に減ってきていると実感するスタッフの田村さん。
だからゆえに、過日の記録をこの先に「伝えよう、伝えよう」と静かな高揚感が店内に溢れています。
誰かが語る歴史ものがたりではなくて…史跡を!
今回のテーマは「ワンスアポンアタイムイン大阪」。
いわゆる「歴史小説」ではなく、もちろん主義主張を裏付けるためだけの「歴史情報」でもなく、色づけのないネイキッドな記録なんです。
そんな旨をお伝えしたところ・・・「ありますよ」とニッコリの田村さん。
幻の『大阪春秋』バックナンバー
いま、大阪春秋を血マナコになって探し回っているアナタ!ここ中尾書店にあります!大阪の歴史や文化や街を掘り下げて紹介してきた季刊誌で、惜しまれながら2021年に終刊となった幻の『大阪春秋』。
2012年に『大阪人』が終刊となって以降、大阪の知の良心を一身に担ってきた(ワタクシ見解)あの雑誌。
1973年の創刊以来、郷土史家はもちろん、文学や美術など幅広い分野の方々で紡がれてきた郷土の記録誌です。
難波の行事やお祭りを振り返る / 難波鑑
さて。ここにありますのは、とある慣習を記録したページ。もっとよく近寄ってみると・・・
ね?「今宮戎(いまみやえびす)」の文字が確認できます。
そう!こないだ1月9日~11日の間「十日戎(とおかえびす)」が開催された、あの「今宮戎(いまみやえびす)」のこと!
新春恒例の『宝恵駕行列(ほえかご)』は実に200年以上の歴史を誇る伝統行事。その歴史スケールが大きすぎて、あまりリアルには感じづらいですよね。
でも「今宮戎(いまみやえびす)」はこうやって記録に残っている。
それが、「難波鑑」。
江戸時代前期に刊行されたものを高度な木版技巧で知られる「だるまや」が大正13年に復刻した、難波の行事や祭事を記録した書物なの。
ワタクシ自身も足を運んだ「十日戎(とおかえびす)」がフッと過去に繋がる、この不思議さ!
これを見て、もういちど「今宮戎(いまみやえびす)」に行ってみたら、きっと感慨深いはず。
河内国の名所を振り返る / 河内名所図会
ここにもうひとつ。河内の名所を目次に連ねたページがあります。
そこでワタクシの目を釘付けとした「金剛寺」の文字。
そう!今春にしだれ桜を観に行こうと決めていた、あの「天野山金剛寺」(河内長野)のこと。
それが・・・・・
わーーーーーおぅ♡♡♡
こんな大胆な構図で描かれている♪ このドローン的視点、全体像を描き切ってやるという漲り。
現在を生きている自分が行こうとしている天野山金剛寺と、誰かが描いた金剛寺が交差する瞬間。
決してワタクシとは会うことのない、過日の貴方に伝えたい「描いて残してくれてありがとう!」
そんな「天野山金剛寺」はこうやって記録に残っている。
それが、「河内名所図会」
河内国の名所を絵画と文章で紹介した地誌で、享和元年(1801年)に刊行されたものを復刻したもの。学術的な価値はもちろん、ご自身が住む土地の歴史に触れてみたいと、お買い求めになる方もいるそうです。
古きを巡る / 大阪名所
「大阪名所」は明治期に色刷で発行されました。
ここは現在ビジネス街としてお馴染みの「中之島」。
大大阪時代前夜でしょうか、真っ最中でしょうか。土佐堀川と堂島川に挟まれる中之島に、渡し舟が悠々と漕ぎ出す様子が描かれます。
こちらは天保山沖。ご覧ください、女性や子どもたちが興じるのは潮干狩りでしょうか?
こんな穏やかな景観と過ごし方があったなんて、今では想像もつかない。
左上の「四ツ橋全景」からも、水場と共にあった街・大阪の魅力が伝わってきます。
そして、こちらが道頓堀の光景。
そう、かつてこの通りを観劇に向けてそぞろ歩いた旦那はんやいとさん&こいさん。めいっぱいお洒落を決め込んで、文化とエンタメの集中するこの通りを闊歩する…う~ん、味わい深い。
これらは繊細な線と淡やかな色合いが特徴で、緻密で写実的でもあります。
当時の暮らしや街の様子を振り返るに貴重な資料でもあります。
貴重な資料といえば、こんなのもあります。
改良大阪明細全図
そう、「地図」なんです。
いまでは無くなってしまった地名や、当時の人や物の動き、エリアとエリアの境や交差が読み取れる、大変に貴重な資料。
上方絵にも注目!
昨年は某ドラマの影響もあり、浮世絵が注目を集めた1年でした。
でも、アレは江戸のことね。大阪には「上方絵」があるんですよ!
いわゆる「役者絵」が多いのですが、例えばこちらはやわらかく咲き誇る満開の桜を見上げる女性(物語上は遊女の侍女)。その装いには梅の花が意匠され、どことなく表情の「口惜し気」。
そうよね、せっかく桜の時期なのに梅の服なんて着させられたらワタクシも不機嫌になるわいな。
こちらも「役者絵」のひとつ。あづまの与四郎とは歌舞伎の演目の登場人物です。
たわわに咲き誇る桜など興味もないと言わんばかりに一服。この表情、ニヒルでしょ?
それもそのはず、この与四郎さん、どうやらあの石川五右衛門さんのお友だちらしいです。
古書店の使命、そして、知のインフラとは?
容易に価格には変換できない歳月の財産や知の大成がひっそりと、所狭しと、おびただしく並ぶ中尾書店さん。令和8年の今日のことも50年後に運んでくれる、そんな古書店。
例えばワタクシがこの街の史跡を調べようとしたら、スマホを取り出し検索ツールに打ち込めば、何かしらの情報を得ることはできる。
でも、田村さんは「史跡・歴史って、そのものだけじゃないんです。その前後左右に何が<在った>のか?ものごとって関連性をもちながらそこに<在る>ものですから」と話します。
それを体系的に配したものの容れ物BOXがあるとしたら、それが「中尾書店」さんなのかもしれません。
その箱の大きさと深さが、何で満たされているかを知ることは、<ワクワクとする>ことそのものなのです。
ここに遺される1冊1冊が、つながり合って、ひっぱり合って、向い合って、「むかしむかし、大阪に…」を語り出す、そんな中尾書店。
まるで時が巻き戻ったかのような、不思議な体験です。最後に田村さんの言葉で締めましょう。
「本は、めくらないと分からない。自分の指でめくるから、その隣の本にも触れたくなる」
※価格は店頭でご確認ください。
※在庫は変動します。ご了承ください。



















