BEAUTY

2025.06.11

「男性浴衣」をもっともっと身近に!
男ふたりで洒落こんで、
粋に出かける「心斎橋さんぽ」

松屋

今年も男性浴衣を応援します!

当取材が近年力を入れる『男性浴衣 推進委員会(仮)』。

女性と同じように男性にも浴衣のお洒落を楽しんで欲しい、そんな思いで取材を続けてきました。こんなアナウンスができるのも心斎橋筋商店街に昭和21年創業の老舗呉服店「松屋」があるからこそ。
そして、ご店主の柴橋さまが「男性にも浴衣のおしゃれを楽しんでほしい」思いがあるからこそ。

今回、浴衣にチャレンジするのは私どもの仕事なかま「吉村さん」です。ご覧の通り現代の若モン。

高身長に小顔で首長、トレンドのALLブラックコーデがキマりにキマるZ世代。今回に限り、これは手放しの誉め言葉ではありません。そんな吉村さんが日本の和装「浴衣」が似合うのか?という、かなり気を揉む「懸念材料」なのであります・・・。

店主とご対面!

先述の通り、柴橋さんは老舗も老舗の呉服屋さん店主。正直、ちょっとビビる存在感。
でも実は・・・こんなに朗らかな笑顔の心斎橋紳士です。こちらサイドが勝手に思い込んでいた「和装の掟!!!」のようなものをフワリと超えていく自由さを秘めた方なんです。

定石と冒険の浴衣選び

今回は「体験」ということで、柴橋ご店主の浴衣をお借りすることとなりました。
私物とはいえ、さまざまなテイストの浴衣がズラリ。どんなニュアンスも着こなすことができる柴橋店主の自信の現れです。

普段からシンプルな装いが好みの吉村さん。
今回も端正なテイストの一枚に目が行きがち。そんな吉村さんの意向を受け止めながらも「冒険」の一着も勧めてくれるご店主。さて、この後どうなるんでしょうか????

まずは、完成からご覧あれ。

まずは、完成からご覧ください。

これがほんとうに先ほどの吉村さんでしょうか?ピシっとキマって、それでいて若々しい。身体に1本の軸が「スッ」と通ったかのような粋さ

実はここに柴橋店主のマジックが効いておりまして、古典的紋様の「鐶(かん)つなぎ」がビシーーーっと上下に連なり、吉村さんの立ち姿を粋に仕上げてくれているのです。

身体を軸に、いかに紋様を魅せるのか?


有機体である人の身体に、古典紋様を載せる。そのポイントはもちろん「着方」。
吉村さんを真っすぐに立たせて、一枚の浴衣を当てていく工程。ピシッピシッと這わせる場所を延ばし、シンメトリーになるように手を動かす柴橋店主。

そうよね、あらためて考えれば…。3Dの身体に2Dの布を当てて、その紋様で着る人を魅力的に映し出す和装というジャンル。
「着方」ひとつで粋にもなれば野暮にも傾く。だからこそ、柴橋さんのようなプロフェッショナルから着方とそのポイントを伝授できるのはまたとない機会!

網帯×町人結びの粋さ!

こちらのコーデの帯は「貝の口」という結び方でキメ!

町人風の軽やかなイメージとなる結び方で吉村さんの若々しさを後押ししてくれます。
そして、帯は夏らしく軽やかなメッシュタイプを選び、古典紋様の浴衣と帯の軽やかさを硬軟自在に行ったり来たり→相当に粋だっ♡♡

「ここで定石は博多帯です。でも今回は軽やかにまとめるメッシュタイプの帯にしています」と柴橋店主。

着る人の魅力を際立たせる

そうして、このカッコいい後ろ姿は完成するのです。
「鐶(かん)つなぎ」紋様が襟から裾までスッと延び、真一文字に横断するのはメッシュタイプの帯。鋭角な雰囲気にフイっと遊ぶ結び目のアシンメトリー。
バスケットボールで鍛えた吉村さんの背中がキリっとクールに!

このクールさ。花火大会の始まりから終わりまで保ち続けたい。

そうなると気になるのは「着崩れ」ですね。ここで柴橋店主が教えてくれたワザがこちら。帯のこの位置に親指を入れて「キュッキュッ」と下に引っ張るクセをつけておく。
そうすることで、前身ごろの歪みが直りパリッとキマります。カンタンに習慣づきそうですね♪

楽しむために不自由さを我慢する必要はない

「スマホや財布はどうしたらいい?」「下駄が歩きにくいの嫌だ」

そんな不安にもお答えします。「合切袋」という男性和装向けのアイテムは側面には細やかな網代を施し、表面は大島紬の生地という相当に粋なもの。
さらには、ソール部分全体に滑り止めが施され、歩きやすさを適える雪駄も。

「繁華街や花火大会といった場所で、慣れてない方の下駄履きはおすすめできません。歩きやすい雪駄でも充分に素敵にキマります。男性用の合切袋は本来は着物向けの持ち物ですが、浴衣にだって合わせてもいいんです」と教えてくれる柴橋店主。
総じて、「不自由さを我慢するのは返って野暮だよ」と話してくれます。

そうです、せっかくの浴衣のお出かけは、やっぱり楽しみたいですもんね!

実は柴橋店主なりきのメッセージが…!

当初、「シンプルテイストが好き」と話していた吉村さん。

そんな吉村さんにこの浴衣を勧めてくれたのが柴橋店主。ところが…着てみるととっても印象的なデザインであったことが判明します。そして、ここまでインパクトのある浴衣を「自分でも着こなせるんだ!」という吉村さんの自信につながります。

さらには、この古典紋様「鐶(かん)つなぎ」は、連なった輪からなる意匠が「人のつながり」や「ご縁・縁起」を意味する。そうなんです、本日〈初めまして〉の吉村さんへ柴橋さんからの「今日は来てくれてありがとう」のメッセージが込められている
そんなコードを忍ばせるのも和装ならではの「遊び」なのでしょう!

むしろ洋服ではできないことを・・・

さて。先ほどの一着からワタクシが学んだのは、洋服を観る目で和装を観てはいけないということ。
畳んであるとシンプルに観えるものも、袖を通すとインパクトが現れるというのが先ほどの例。

ならば、洋服だったらとても選べない色合いを、試しに着てみるそんな冒険を楽しみたい!
吉村さん、二着目の着付けが始まりました。

「えええええー!」ってくらいのスカイブルーな浴衣に黄色の帯。吉村さんも内心ドキドキそうですが、「完成形」の観えている柴橋店主は「まぁ、観ててごらんなさい」と余裕の笑みです。

果たして、その結果は・・・!?

工エエェェ Σ”(⚙♊⚙)ノ工エエェェ Σ”(⚙♊⚙)ノ工エエェェ Σ”(⚙♊⚙)ノ工エエェェ Σ”(⚙♊⚙)ノ工エエェェ Σ”(⚙♊⚙)

吉村はん、あんた、男前やってんなあぁ!!!!
信じられない、これが、あの吉村はんかいなっっ!!!

オオォォォ(゚ロ゚*)オオォォォ(゚ロ゚*)オオォォォ(゚ロ゚*)オオォォォ(゚ロ゚*)オオォォォ(゚ロ゚*)オオォォォ(゚ロ゚*)オオォォォ(゚ロ゚*)オオォォォ
このカッコよさ、ちょっと、世間をダマしすぎちゃうか?

モダンで大胆なワンカラー&デザインに合わせるのは重厚で肉厚な「組み紐」タイプの帯。現代風のパキッとした色合いに伝統的な帯を掛け合わせ、結び方は小粋な「貝の口」という柴橋店主マジック!

心斎橋の街に映える、浴衣

それでは。柴橋店主と吉村さんの「心斎橋さんぽ」が始まります。その前に。柴橋店主の浴衣にも触れておきましょう。菱形を連ねた日本古来の意匠。これは品や縁起のよさを意味しています。

ニュアンスグレーの「組み紐」タイプの帯で吉村さんとリンクコーデモダンと古典、そんなお2人で心斎橋の街を闊歩!

皆様、お気づきですか?街にここまでカラーポイントを添えるようなお2
伝統の一幕にも、モダンなワンシーンにも、その一画を「絵」にしてしまうパワー、それが浴衣(和装)なんです。この大胆な日本古来の装いが街にワンサカと溢れていたその昔。
きっと今よりも町はカラフルで粋で、美しく活気づいていたはず、そう思わずにいられません。いえいえ、もっともっと簡単に書きます。

浴衣って、心斎橋の街で「撮れ高」あるわ~~~♡♡♡

少しだけ汗ばむ陽気のこの日。せっかくなので浴衣のお2人に和のスイーツを持っていただきました。大人気!宇治香園さまの抹茶ソフトです。これがまた、濃厚で美味しいんです!

ご満悦のお2人です!

歳の差、ウン十年。そんな距離がまるで無いかのように打ち解けるお2人。浴衣同士という共通項から話が弾み始めます。
まるで、ビギナーとベテランのバディ映画のようで、妙味弾けるワンカット。

こんな2人が歩いていると、心斎橋の街のまた異なる魅力に気づかされます。
心斎橋の街って、とても元気があって、とても美しい。

そして、夏が来る。

さいごに。松屋さんの記事とあって、これは外せません。過去何度も取材をさせていただき、柴橋さんのもうひとつの「才」をご紹介してきました。独学で練り上げたポップなテイストの絵画。
海に遊びに来た女の子を眺める(たぶん彼氏)の視点は、カラーとモノクロに。

今回、なぜモノクロ版があるのか?ここにはちょっとビターな理由があるんです。
この2枚に対して、柴橋店主が「詩」を添えてくれています。

ただし要注意です! 過去に…いまも引きずるほどの辛いお別れのあった方、まだ思い出に変わっていない方、覚悟してご一読を。柴橋店主の「詩」はかなり大人味のビターです。それではどうぞ!

あの夏の少女

過ぎ去った夏の思い出
心の底にモノトーンに沈んだまま
新しい夏がもうすぐやってくる
いつのまにか
気づかないうちに
あの夏の思い出がもういちど
眩い色を取り戻そうとしている
もういちどあの夏の少女に逢いたい
あの夏に伝えきれなかった想い
夏の眩い光に励まされたら
今度こそきっと君に伝えられる
きっと………

浴衣のご相談は「松屋」へ!

はぁ~、なんて苦い「詩」なの。。ワタクシなんて19歳の夏に記憶がさかのぼって鼻の奥がツーーーンと激痛、心臓は粉々です。
柴橋さん、次回はビターではなく、もうちょっとだけスイート方向によろしくおねがいいたします(切実)

さて、今年こそ浴衣を始めたい男性諸君、そして女性のみなさま。
松屋さんでは浴衣を購入できるだけでなく、着付けや小物の購入、さまざまな相談を預かってくださいます。柴橋ご店主は中国語も堪能というオールラウンダー。

「どんな浴衣が自分に似合うの?」「そもそも着方が分からない」「浴衣で花火デートしたい」どんな入り方でも大丈夫。その不安、必ず受け止めてくださるご店主が待っています。

◆雪駄/7,980円
◆合切袋/19,800円
◆浴衣や帯の価格は店頭でご確認ください。

※価格は税抜きです。

店名:松屋
住所:大阪市中央区心斎橋筋1-5-19「しんぶら街」つきあたり
TEL:06-6252-6829
URL:https://www.matsuyagofukuten.com